なとこ・トピックス
こんナトコで使われています
FILE#002 TAB裏止め剤
「TAB裏止め剤」と聞いただけでは、何に使うものかサッパリ分かりません。
まずTABの製造工程を説明し、次に、TAB裏止め剤の特徴を紹介したいと思います。
TABとは?
TABとは「Tape Automated Bonding」の略で、銅配線されたテープ状のフィルムに、ICチップを連続して自動接続する電子回路の製造方法です。
このTABでは、プリント基板を従来のプラスチックなどの板を使わず、直接テープ状のフィルムのような「TABテープ」上に実装しますが、従来の方式に比べ、高速に大量の回路・基板を生産する事が出来るようです。
これらのTABテープは、ノートパソコンや液晶ディスプレイ、携帯電話などの電子機器に多く使われて、小型・薄型化にとって重要な存在のようです。
どうやって作るの?
まず、ポリイミド樹脂製のフィルムにCPUなどを組み込むための穴開けを行います(パンチング工程)
続けて、このフィルムに銅箔を貼り付けます(ラミネート工程)
この銅箔が、最終的に導線になるんですね。
しっかりと貼り合せたら、表面に感光性樹脂を塗装します。
ここに配線パターンを重ねて、露光・現像します。
これで、導線として必要な部分に樹脂が残った状態となり、不要となる部分の銅箔が剥き出しの状態になります。
これを横から眺めてみれば、上から感光性の樹脂層、銅箔、フィルム層になります。
次いで登場するのが「裏止め剤」です。
これは、名前のとおり、フィルムの裏側に塗られ、しっかりと全体を固定します。
次いで、余分な銅を溶解して除去する「エッチング」という工程に移り、不要な銅を酸性の溶液で腐食・溶解させて取り除きます。
ここで裏止めの膜が不十分で、小さな穴が開いていると必要な部分の銅まで溶けてしまいます。もちろん、裏止め剤自体も十分な耐酸性を満たしている必要があります。
そして、感光性の樹脂と裏止め剤を除去します。
先ほどは十分な密着性能が求められましたが、今度は簡単に除去できなければなりません。
最後に、銅の部分にメッキなどの処理をして完成となります。
求められる過酷な性能
通常、塗料の場合、出来るだけ強い塗膜が求められるものですが、TABテープの工程においては、その常識は通用しません。
その要求を簡単にまとめると、次の3点になるでしょう。
- 色々な塗装方法に対応できること
- 物理的及び薬品などに対抗できる、十分な性能を持つこと
- 不要になったら簡単に除去できること
特に、2番目と3番目のような、一見すると矛盾した性能が求められる点が特殊なのです。
ナトコ「TABテープ裏止め剤」は、独自の「ポリマーアロイ技術」を活かし、様々な機能部品を組み合わせた樹脂原料を開発する事で、それらの要求を高度に満たす製品に仕上がっています。
その特徴は次のとおりです。
- 膜強度が強く、リードフレームに損傷を与えない
- 銅箔やポリイミドに対する密着力が強い
- エッチング耐性に優れる
- 種々のコーティング方法に適応できる
- アルカリ水溶液により容易に剥離する
- レベリング性に優れ、ピンホール、ハジキ等塗膜欠陥を生じない
塗料開発で培った技術によって、塗料としての基本性能を十分に発揮しつつ、更に、ポリマーアロイ技術は、それらに新たな機能、それも、場合によっては塗膜としては正反対の機能すら付加することが可能なのです。
高度に発展し続ける電子・半導体産業の分野。
その最先端とも呼べるTABテープの製造工程で一時的に使われ、あえて表に出ることのない「裏止め剤」という存在。
高度な高分子合成技術によって、それら最先端の生産ラインを支え得る高い品質「裏止め剤」は、文字通り先端産業を、裏から支えているようです。
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